開発組織の育て方 – エンジニア3人から30人へ


リンクバルの堀内です。技術部門の責任者をさせていただいています。リンクバルでは現在、業務委託やリモートワークも含めて約30名のエンジニアが活躍しています。ほんの3年ほど前は10名、5年前はたったの3名でした。当社の主力事業は、男女が出会うためのイベントのチケットを販売する、イベントECサイト「街コンジャパン」です。創業時からいままで、常にイベント掲載数が右肩上がりで増え続け、現在は月間2万件ほどのイベントを掲載している、日本最大のサイトです。

エンジニアが足りなくて困っているのは昔も今も同じですが、悩みの質はだいぶ変わりました。当時は、とにかく人がいない。増収増益を続けるマザーズ上場企業だったのに、人が採れない。今は優秀なエンジニアが揃っているので、人が足りないながらも、スケジュールのやりくりで、やりたいことはできるようになりました。

当時、うまくいかなかった要因はいくつもありました。年間数十億円を販売するECサイトなのに WordPress で作られているから関心を示すエンジニアが少ない。「チャラい若者で溢れる出会い系企業」だから自分には合わないとエンジニアから敬遠される。当時の人事部が問題を抱えていて人材紹介会社からの評判が悪かった。超絶技巧的に WordPress を使いこなしていた影響で、保守だけで精一杯になり、新しいことに目を向ける余裕がなかった、など。

ちなみに、リンクバルに「チャラい若者」はあまりおらず、中から見るとむしろ地味な人が多い印象です。

WordPress時代

ほんの3年前まで、街コンジャパンは WordPress(以下WP)で動いていました。WP というと、ただのブログツールでしょ、と軽んじる人が多いのですが、あれも、コンテンツの管理に特化した、一種のフレームワークなのです。やりたいことと WP の特性がマッチしていれば、最速でサイトを立ち上げられる素晴らしいソフトウェアです。

しかし、普通は手を入れないようなところにまで手を入れていた上に、トラフィックが増えすぎて、サイトの維持そのものが苦しくなっていきました。ここまで WP を活用していたサイトも珍しいのではないか、と思います。しかし、世間一般にたくさんいる「WPエンジニア」は、画面テンプレートを書き換えたり、プラグインをインストールするだけの人が多いため、街コンジャパンが求めるレベルの WPエンジニアを、必要な数、調達することはできませんでした。

そうこうするうちに、サイトの表示速度が壊滅的なまでに遅くなっていき、Rails でフルリニューアルすることになりました。

Railsでフルリニューアル

Rails でリニューアルといっても、PHP で書かれた WP しか扱ってこなかった会社ですから、Railsエンジニアなどいません。そこで、業務委託で人材を確保しました。街コンジャパンは、業務委託エンジニアを中核に据えて作られたサイトなのです。

しかし、サイトを Rails化したことにより、エンジニアから見た会社の魅力が向上し、少しずつ、WP時代よりもいいエンジニアが採用に応募してくれるようになっていきました。また、今まで手を入れたくてもできななかった街コンジャパンに積極的に手を入れられるようになったおかげで、イベントの企画、開催をする労働集約的な会社から、プラットフォームを発展させるための頭脳労働型の会社に転換していきました。

その一方で、Rails版のリリースから一年くらいは、総合的に見て技術力を業務委託エンジニアに依存している状態でした。

社員中心への転換と外国人採用

Rails化してもなお、自分たちが確保したいだけのエンジニアを、社員として充分に採用することはできませんでした。あるとき、知りあいの会社に遊びにいって、外国人エンジニアが働いているのを目にしました。彼は日本語をあまり話せないそうです。面白いなと思って、外国人を専門に扱う人材紹介会社を紹介してもらいました。

最初は日本語が上手な外国人のみを対象にしていたのですが、そのうち、日本語を話せなくてもいいやと方針を転換し、外国人を積極的に受け入れるようになりました。その流れで、ハノイ工科大やインド工科大の新卒採用や、インターンの受け入れをするようにもなりました。

時期によって異なりますが、今では、日本語、英語、ベトナム語、中国語が混在する職場になりました。それで、特に困ったことは起きていません。外国人採用を開始すると共に、社内の英語化も少しずつ進めていて、概ねみんな好意的に乗ってきてくれている、というのも大きいと思います。海外のカンファレンスに社員を送り出す、という試みも一年前から始めました。

人材紹介会社の担当者が言うところによると、外国人を受け入れてもいいという企業は少なく、ましてや日本語を充分に話せない人材を採用する企業は全体の中のごく一部だとのことです。自分たちはいま、ジョブフェアなどに行っても外国人採用をしている企業ばかりが目につくので、当社がレアな部類だという自覚は持てないのですが、優秀な人であれば言語にこだわらず受け入れたいという方針は、当社の採用の優位な点であろうと思います。

そしてベトナム開発子会社設立へ

外国人採用の開始と共に、ベトナムでのオフショア開発も拡大させました。それまで細々と1、2名でやっていたのを、一気に10名程度にまで増やしました。成功した案件もあれば、失敗した案件もあります。今のところ、成功するときはそこそこの成功、失敗するときは完全な失敗、という印象です。ベトナム人エンジニアは、基礎能力は高いのですが、若年者中心で経験が浅いという特徴があります。プロジェクトが明後日の方向に行くのを認識しつつ軌道修正できなかったという苦い思い出もあります。

しかし、国内で確保できるだけのエンジニアの数以上に、事業を成長させていきたいという強い意志がありました。計画では、ベトナムオフショアもさらに拡大させていく予定でした。そこでふと考えました。数年後にベトナムオフショアを数十名規模にするのであれば、自社でやってしまったほうが良いのではないか、と。

幸い、当社には2年近くにわたるベトナムオフショア開発の知見と共に、経験豊富なベトナム人エンジニアがすでにいました。彼に現地の責任者になってもらえば、3年後、5年後に100人規模も夢ではないと考え、子会社設立準備を開始しました。この当社初の海外子会社設立は、社長の意志決定からごく短い期間で現地の役所への申請に至っています。未経験の領域を調査しつつ、短時間で実現するスタッフ部門の機動力も相当高いなと感じました。

創業から7年が経過し、リンクバルは、男女の出会いの領域から、コト消費の領域へ事業を拡大させていきます。多様な人種、多様な言語のエンジニアが混在する刺激的な環境下で、あなたも一緒に働いてみませんか?

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